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Algolagnieですね。英語ではalgolagniaと書きます。性目標の倒錯の一種で、性対象に苦痛を与えること(所謂サディズムsadism)、あるいは性対象から苦痛を受けること(所謂マゾヒズムmasochism)によって性的満足を得るものをあらわします。この単語は1892年に初めて使用され(C.Schrenck-Notzing)ましたが、サディズム、マゾヒズムという語に比べると知名度が少し足らないような気もします。サディズム、マゾヒズムはクラフト-エビングにより命名され、フロイトにより周知のものとなったのです。 フロイトは最初、外界に対する破壊・攻撃傾向はまず欲求挫折の結果発生し、この破壊・攻撃傾向は更にその阻止や処罰に対する恐怖から抑圧され、自分自身に向けられてマゾヒズムを生じると考えていましたが、やがて「快感原則の彼岸」(1920)で、マゾヒズムを二次的形成物とみなすのを止め、サディズムは外界に向けられたマゾヒズムと考えるようになりました。 簡単に書くと、出発点にはサディズムがまず存在し、それが何らかの理由により自分自身に向けられた時にマゾヒズムが生ずると考えたフロイトでしたが、後年考えを改めます。マゾヒズムとサディズムが各々存在し、マゾヒズムのうち他人に向けられたものもサディズムと呼ぶと考えました。 更に「マゾヒズムの経済論的問題」(1924)の冒頭では「人間の欲動生活においてマゾヒズム的な傾向が存在することは、経済論的には謎に満ちたものと言える。快感原則が不快の回避と快の獲得を第一の目標としながら心的なプロセスを支配していると考えると、マゾヒズムはそもそも不可解な営みなのである。苦痛と不快がもはや警告ではなく、みずから目標となりうるならば、快感原則は麻痺し、れわわれの精神生活の番人も、麻酔にかけられてしまうことになるからである。マゾヒズムの対立物であるサディズムとは異なり、マゾヒズムは精神分析の理論にとって大きな脅威となるものである。われわれは快感原則を、人間の心的な生だけでなく、人間の生命全体の番人と呼びたいと考えている。すると、すでに区別した二つの種類の欲動、すなわち死の欲動とエロス的な(リピドー的な)生の欲動と、この快感原則の関係を検討する必要が生じてくる」と書いています。この論文は「快感原則」に「死の欲動」が従っていないという問題を検討したものです。 フロイトの著作を読むたびに、フロイトという人物は、医師である前に、精神分析家であるということを実感させられます。臨床(特に日本の)では殆ど使いものになりません。 因みにフロイトの初期の考え方、「まずサディズムありき」(マゾヒズムは自己自身に向き変えられ、制止されたサディズムである)は多くの人に受け入れられており、後期の考え方のよりも支持が多いように感じられます。 なお、精神分析においては、人間の性心理的発達は破壊欲動(死の本能、タナトス)と性欲動(生の本能、エロス)との対立均衡によって決定され、人間は元来破壊本能を持つ存在で、それが性愛と結び付いた生の本能によって中和・統合されるもので、疼痛性愛とはこの過程への障害と位置づけられています。 つまりサディズムは自分の死の本能が他者に転移されたもの、あるいは、個人の内部での生・死、両本能の対立の産物となります。 新フロイディズム的見地:自己内部の去勢不安および勃起不安に対する防衛 行動主義的見地:学習欠陥の産物、特に性的エネルギーを性器的に消散させる方法を学習しなかった結果、誤った性行動の学習が起きたもの 現代的な見地:パラフィリア アメリカ精神医学会(PDA)によるDSM-Ⅳ-TRの第11章、性障害および性同一性障害の性嗜好異常の項に302.83、302.84としてサディズムとマゾヒズムの記載と診断基準があります。 302.83 性的マゾヒズム A.少なくとも6ヵ月間にわたり、辱められる、打たれる、縛られる、またはそれ以外の苦痛を受ける行為(現実のもので、擬似的なものではない)に関する、強烈な性的に興奮する空想、性的衝動、または行動が反復する。 B.その空想、性的衝動、または行動が、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または重要な領域における機能の障害を引き起こしている。 302.84 性的サディズム A.少なくとも6ヵ月間にわたり、犠牲者に心理的または身体的苦痛(辱めを含む)を与えて自分を性的に興奮させるという行為(現実のもので、擬似的なものではない)に関する強烈な性的に興奮する空想、性的衝動、または行動が反復する。 B.その人が性的衝動を行動に移している、またはその性的衝動や空想のために、著しい苦痛または対人関係上の困難が生じている。
by symphonietta
| 2005-12-01 23:00
| Psychiatry
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